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7's Library

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深夜の真剣文字書き60分一本勝負:遠恋

小説(掌編)

 

深夜の真剣文字書き60分一本勝負で書いた掌編です。

使用お題:桜の木の下で、プレゼント、闇の中の光

ジャンル:オリジナル、恋愛 

 

遠恋  ■

 

蛍光灯から落ちる白い光の中、風に揺られてはらはらと舞う桜の花びらを見ていると、彼からもらった手作りのスノードームを思い出した。

手作りといってもあれだ、下手な方の手作りだ。中には何も入ってなくて、本当にただひたすら白いひらひらが舞っているだけ。“手抜き”という言葉がぴったりの代物だったが、プレゼントしてくれた本人的には自信作だったようなので、できるだけ嬉しそうに「ありがとう」と言った記憶がある。

ああ、そうだ。ホワイトデーのお返しにもらったんだ。「白いからホワイトデーにいいかなって」という、正直私には理解しかねる回答だった。

ただまぁ、思ったよりは役に立ったというか、気分が落ち込んだときにただひたすら舞い続けるだけのスノードームは良い精神安定剤だった。変に貴方を思い出すこともなくて良かったと思うよ。

まぁ、明日は久しぶりに会いに行くのだし、今ここで彼を思い出す必要はないのだけれど、ね。