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7's Library

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SS企画《俺のグルメ》FESTIVAL:魔法の万華鏡〜食べる幸福〜

小説(掌編)

 

SS企画《俺のグルメ》FESTIVALで書いた掌編です。

お題:「これが! 俺の! グルメだ!!」を詰め込んだ、“おいしそう!”な飲食風景

ジャンル:オリジナル、お伽噺風、暗め

 

 

■ 魔法の万華鏡〜食べる幸福〜 ■

 

孤児は魔法の万華鏡を盗んだ。
覗き込んで、願いを言えば、どんな願いも叶うという。


「飯、食いたい、腹いっぱい、食いたい」
片言で呟いた瞬間、孤児は見知らぬ世界にいた。
煌めくような光に満ちたそこには、見た事もないような食べ物がずらりと並んでいる。
白米、味噌汁、焼き魚、根菜の煮物、菜っ葉……匂いだけで腹がぐぅと鳴った。
孤児は夢中でそれらを食べた。
うまかった。
味などわからなかったが、腹が満たされていくことが幸福だった。

 

目の前の物をすべて平らげた頃、孤児の前に女が一人。
「願いは叶った。二度とこの万華鏡の中からは出られないよ」

 

意味を正確に理解したとは言い難いが、孤児は頷いた。
もとより帰る場所などないのだから。

 

 

※ 同世界観作品 ※