下記の企画に参加します。
Twitter300字SSを開始します。お題は「散る」です。桜、水、光、様々なものが「散る・散らされる」光景を作品にして下さい。詳しい概要→ https://t.co/GtCHTLOpLL に沿って21時~24時に #Twitter300字ss のタグをつけて投稿して下さい
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2017年4月1日
ジャンル:オリジナル、おねショタFT
※Text-Revolutions 第5回内有志企画第4回300字SSポストカードラリー参加作品「花に愛されし少年と桜神(コノハナノサクヤビメ)」の関連作です。
■ 逢瀬の終わり〜花に愛されし少年と桜神(コノハナノサクヤビメ)〜 ■
今年も桜が散る季節となった。
「来年もまた逢えますよ」
二十歳前後の女性が、十になるかならずかの少年に笑いかけている。
少年はぶすっとした顔をしているが、女性が彼の体をそっと抱きしめると、諦めたように顔を上げた。
「約束だよ」
「はい」
女性が笑みを深くすると、その体は空気にとけるように消えていく。
少年の前には、最後のひとひらまで花が散り落ちた桜の巨木。
彼にしかみえない桜神は、自らが花を咲かせている間しかその姿を維持できないのだ。
それは出逢ったときから変わらない。
けれど。
少年は、地面に散った薄紅色の花びらを踏みにじりたい衝動に駆られながらも、それが彼女だと思えば踏みとどまるしかなく。
「散らなきゃいいのに」