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かまぶんまで旅してきたよ

運命という言葉が好きじゃないので縁という言葉を使います。

ついったと本がつなげてくれた不思議な縁で、富山から大阪のカマタ商店まで旅に出てきました。

行きは懐かしくも遠い女の子たちの話を読み。カマタ商店ではいろんな本を読んで、おいしいご飯を食べて、縁を繋いでくださった素敵なひととおしゃべりをして(もっとたくさんおしゃべりをしたかった)、そのひと(たち)が好きな本をたくさん買って。帰りはやっぱりそのひとが書いた夏の前の雨の話を読みながら電車にゆられて帰ってきました。

ということでかまぶん行ってきたよ旅レポです。

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(旅っぽい写真これしかなかった……京都の近くで撮ったんだけどなんだろこれ←)

 

■ 旅のきっかけ

ついったで相互フォローしてるゆらさんから、大阪のカマタ商店というお店で1か月半ほど同人誌を展示・販売するイベントをやるんだよーというお話をきいて、そこで本を置いてもいいですよーと言っていただいて、ありがたくも場違いすぎてその他もろもろとにかく私はどう考えても違うだろうなぁと思いながらも厚かましくチャンスは無駄にしない主義なので出ますーと二つ返事ぐらいで決めたような記憶(あやしい)。

実際、エレガントにドレスアップした素敵な大人たちの中に混じったお子様みたいな。お子様なりの精一杯の背伸びはしていたけれど。でもこのお子様はエレガントな大人たちが華麗にステップ踏んでダンスを踊るのをただ眺めるのも好きなので全然無問題なんです。同じ空間にいれることがしあわせみたいな。別にそこまで卑屈になりはしません。だってそんなことは見たひとには一目瞭然だろうから、せめてまっすぐに立つことで、お誘いくださった方に顔向けできるように。

話がいきなり現在に飛びましたがそんな感じでイベント「カマタまで文学だらけ」に出展することにしまして、それから本作るまでには救急車に運ばれたり入院したり血圧や腎臓がヤバイといわれたり帝王切開で第二子産んだり年子育児したり風邪引いたりと、締め切りのない様々な修羅場を乗り越えてきました。

折本と短歌と写真が良かったと言っていただいたので、折本を2種類作りました。単純だからほめられたジャンルで作るというか、ゆらさんのために作りたかったから彼女がいいと言ってくれた素材にしただけかな。でもそんなこと言っても結局は自分が作りたいものを作っているだけです、知ってる。

 

エッセイ×短歌の折本。過去をのぞいてみたらもやもやしてたんだよって出てきたお話。

 

写真×短歌の折本。写文が好きだったのでそれを自分一人短歌版でやったような。これはちょっと楽しかった。暗めなのはもうどうしようもない←

 

今まで作品を人から求められたことが少ないので凄く嬉しくて、逆にいうととにかく誠実に作らなきゃというプレッシャーがかかって、でも作ってるのは本当に楽しくて幸せで、このイベントにお誘いいただけて本が作れて本当にうれしかった。カマタ商店を訪れるお客様とさらなるご縁があったらうれしいけど、なくてもゆらさんに受け取ってもらえたからそれで十分だなーという気分です。

(でもすでに野良猫は2冊草花は1冊お買上げくださった方がいらっしゃって嬉しさと楽しんでいただけるだろうかの不安の無限るーぷ)

 

■ 旅に出ました

ということで、そのイベントが開催されているカマタ商店に日帰りで行くことにしました。なんでと言われても行きたくなったからで、たぶんゆらさんにお会いしたかったんだと思うんだけど、最終的には直感です。わたしは結構自分の直感は信じるほうで、今回もなんだかよくわからないけど行きたい行くべき行こうってなったので行きました。

そんなわけで行きの電車では唯一持ってた(そして未読だった)ゆらさんの個人誌『さよなら楓ちゃん』を読みました。

表題作以外に誌が掲載されてるんですけどそっちはまだ読んでません。眠すぎて(何せ2時間も寝れなかった)詩、という気分ではなかったというか、小説の方の余韻に浸っていたかったのかもしれません。素敵でした。でもこのあとは寝ました。眠すぎて寝れない状態だったけど根性で。起きたら琵琶湖のそばを通っていて、旅っぽいな〜って思いながら外の風景を眺めてました。

最初はもやってて真っ白で何も見えなくて、後ろにもくもく雲が浮いてて。雨が降ると視界が悪くなって世界の境界がにじんでいく、そのぼんやりとした不安、雨が降る前の切羽詰まってくるような感覚がRADWIMPSの「アメノヒニキク」にはあって、それを聴きたかったけれどイヤフォンがなかった。

 

ひと住まぬ家にツタ這い古びけり湖の底沈みゆくよう

 

湖沿いにツタに覆われた古い家があって、あぁいいなぁって、うささんの『たびたび/あかうま』のように旅の途中で短歌を詠むというのをやってみたかったのでした。満足。

 

大阪駅はダンジョンで、ついったでおみやげ募集をかけたことを後悔しました。ダンジョンに入って攻略できる(おみやげを買える)気がしない。と思いながらとりあえず尼崎まで出て、そこで尼崎が舞台の『キャンディと王様』を読んでから来るべきだったことに気付きましたが遅すぎ。全3巻で、文フリ史上最も長い本だそうです(ゆらさんからきいた)。そろそろ読みたいですね(未読段ボールに詰まってる)。とにかく尼崎まで出て、東西線がJR運行だとは知らず(東京が別会社なので)、間違えて一度改札を出るあほでした。それでも無事御幣島に着き、地上に出たら雨が結構降っていたので一目散にカマタ商店に入りました。お陰でかわいい外観写真が撮れず……お庭素敵だったのにね。

 

■ ご飯を食べたよ

カマタ商店、一番乗りかどうかは知りませんがお客さん誰もおらず、本をいろいろ眺めてました。こぢんまりとして、縦に長いお店。本は入ってすぐのところに並べられていました。良い意味でイベントという感じじゃなくて、お店に馴染んでいたように思います。本を中心に絵やイラスト、ポストカード、アクセサリといろいろで眺めても楽しい。インテリアは木製品で落ち着いた雰囲気であったかみ(でも雨が降ってたので物理的な寒さはどうしようもなく)。

一人二人とお客さんが入ってきて、一人の方がかまぶんの本を読みながらランチしてて、あ、ちゃんと読んでくれる人いるんだうれしい!と(自分の本ではありませんが) 。で、とりあえずランチしちゃおうかなと。『点』を持ってカウンター席へ。前日がカレーだったのでメニューは消去法でした。

 

 

とにかくかいわれ大根が美味しくて、ゆらさんがいらっしゃったときカマタの奥さんと話す機会があって、そのときにかいわれ大根美味しかったです、とたくさん伝えたぐらいおいしかったかいわれ大根。写真もなんかかいわれ大根目立つように撮影したのですよ!

 

■ 本を読んだよ

同人誌即売会より本に向き合うことがしやすかったのでじっくり本が読めて、本当に素敵な空間でした。即売会では作家さんとお話ししながら本が買えるのが魅力なのだけれど、このお店は本は常にあって、作家さんがときどき来て、みたいなのがすごくイイ。縁とか運命とか、そういうものをより感じられるというか。

そんな感じで?最初に読んでいた『点』は買い忘れてしまったのですが(!)これは俳句の本で、霜月ミツカさんの作品の言葉が鮮やかだったのが印象的でした。純文学とか短歌とか俳句とか川柳だとかを私は難しく感じてしまって、この場合の難しさというのは、どう読んでどう楽しめばいいのかがわからないということ。読んだ作品のすべてに真正面から向き合いたいというような悪癖のせいで楽しみ方がわからないのかも。

『点』をぱらぱらと読み終えて『散歩と遺体アンソロジー』のゆらさんとひのはらみめいさんの作品だけ読みました。立ち読みみたいになって申し訳なかった気持ちだけどこのお二人のは読みたかったのです。素敵でした。

 

■ にゃんしーさんに会ったよ

本読んだりご飯食べたりしてたらリーマンなにゃんしーさん登場。去年の文フリ金沢以来なのでちょうど1年ぶりぐらいですね。リーマン似合ってたしよく考えたら私スーツフェチなのでスーツ姿堪能できてどきどきだったかもしれません。いやどきどきはしなかったんだけどなんかこうくるものがあってなんでかなと思ったらそういえばスーツが好きだったことをこれを書いてたら思い出したのでした(本気で忘れてた)。というかにゃんしーさんちゃんと社会人だった(失礼極まりない)。下読みの感想が送れなかったことは謝罪しました。でも決して面白くなかったとかじゃないんです。ただ空虚な違和感と純文学がわからなくて、それをどう伝えればいいのか悩んでる間に勝手に時が過ぎ去ってたんですが本当に申し訳なかったです。それでにゃんしーさんは仕事があるからと会社に戻って行かれてそれがまた新鮮でした(本当にひどい) 。

 

■ 続・本を読んだよ

お店からお客さんが消えて一人になってやっぱりゆらさんの本読みたいなーって思ったのでタイトルに惹かれて(というかちょうど夏前)『夏の前、子どもの集会』を読み始めました。お店のドアはガラス張りで開け放されていたので雨音というか外の空気が時折感じられて、読書が大変はかどったのでした。はかどりすぎて最後まで読み終わりそうだったので、ちゃんと自分の本にしてから読み終えたいなと思って中断。

時間が限られていたので、先に本を買おうと選んでいたところでゆらさんがご到着。

 

■ ゆらさんとおしゃべりしたよ

ゆらさん、ついったではお話してましたがお会いするのは初めてで、声のかわいさにびっくりしました。パステルカラーみたいな、淡いかわいい声でした。好き。それはともかく、楽しいおしゃべりタイム過ごせました。特にツイノベとか短歌とか俳句とか短い文章の連なりの読み方について。書くことを語る人はついったにたくさんいるんですけど、読むことを語る人はあまり見つけられず、なのでそういう話ができてとてもとても嬉しくて、たぶんアホなぐらいはしゃいでました。ツイノベから自然七歩さんの本の話になって『最果て食堂』いいですよねって言いたいのに「食べる話」などと言ったのはわたしです(正しいタイトルはゆらさんが出してくれました)。

ちなみにホットコーヒーを追加で頼んだのですがこれもスッキリとした苦味で(あなり強くない)おいしくいただきました(写真撮り忘れ)。

それから、かまぶんに置いてある本についてもいろいろ教えてもらいました。山本清風さんの本が前々から気になっていたのでおすすめはどれかとか。あとキヨムさんのご本は持ってないの以外買う気にさせられましたうまいなもう。でもこれ主催さん二人が好きな作家さん、好きな本を置いているからこそ、どれがいいというのを紹介できるんですよね。

『キャンディと王様』の話もいろいろ聞いて、編集者・泉由良が担当される作家さんも本もしあわせだろうなぁと思いました(曲がりなりにも本職が編集者だったこともあるわたしなのですが)

で、全部で8000円分買いました。

このメモ一覧、ついったでゆらさんに「メモってついったにあげてもいいですか?」って聞いたら「メモをとってついったにあげる」とよまれまして、あ、確かにそうも読めるな、みたいな。お互いに走った衝撃。文字がかわいかったからそのままあげたかったのですよ。略し方もいいなーって。いろいろセンスがとわれる。

最後に自由律短歌?だったかな、みたいなのを見せていただいて、短歌とはなんなんだろうなぁと思いつつ、短歌っぽいっていうのがなんかすごくいいなぁと。短歌を少し真剣にやってみたからこそ、短歌っぽいっていうのがなんとなくわかる気がしました。たぶんやってなかったらわからなかった。なんでもやってみないと理解できないというところがあるのですが、でもやっぱりやってみて見えてくるものがあって、やらないのに答えだけ聞いて知識にするっていうのは痴がましいというか結局身にならないというか、そんなことを思いながら純文学について訊く。ストーリーがない、文章フェチ、などのことばをいただいて、わかるようなわからないような気持ちになりながら純文学に真剣に向き合ったらわかるのかなぁなど。

そういう感じで楽しい時間はあっという間に過ぎ去りました。ホントあっという間過ぎてギリギリまで引き伸ばしてお話ししてもらいました。楽しかった。お会計して、雨が降ってたのでゆらさんが相合傘をして駅まで送ってくれました。ありがとうございます。カマタの奥さんが傘を貸そうとしてくださったのですが、ここでしか使わないのに持ち歩くのがいやというとても最低な理由でお断りしましたすみません。

 

■ 帰り道だよ

そしてそんな最低なことをしたせいか電車を乗り間違え、北新地についてしまうという……。徒歩5分ぐらいかけて大阪駅にたどり着きましたびっくりした。でも地上にはでなかったので傘は必要なく、普通に駅までたどり着けたので行けないことはないです。ただひとが多くて疲れる。あ、おみやげも無事買えました。ついったでいろいろご意見くださたった皆様ありがとうございました。残念ながら半分以上生かせなかったのですが、でもとても嬉しかったですし、次回リベンジしますので。

そんな感じで?帰りの電車にも無事乗れました。早速途中まで読んでいた『夏の前、子どもの集会』を読む読む。

凄く良かった……! 何が良かったのか言葉にしづらい魅力がありましたのでその辺の感想はまたちゃんと自分の中で咀嚼していきたい気持ちなのですが、ゆらさんの中には子どもがいる(いた)のかなぁって思いました。子どもというか子どもたちというか。子どものとき限定で出逢えた何か、トトロみたいな、そういうことが詰まっているように思いました。なつかしくて遠い、形を変えて誰もが触れてきたもの、こと。カマタまで行って、私は失われてしまった懐かしい何かに触れて、それを今の自分と未来の自分に還元したのかも。たくさん本を読んで、また新しい本を作る、そのための何かをいただいてきた気がします。

 

■ 宣伝だよ!

ということで、「カマタまで文学だらけ」、18日(日)までやっておりますので、お近くの方、ちょっと遠いけど行ける範囲の方など、ぜひお立ち寄りいただけたら嬉しいです。本を買わなくても、ちょっと読んでみるだけでもいいと思います。わたし4時間半も居座りましたが全然邪険にされませんでした。やさしいお店。

イベントの詳細は下記よりご覧いただけます。出展されてる作家さんと本の詳細情報などもあるので、見てるだけでも楽しめるかと。本には推薦文がついているものもあるのでご本選びの参考にもぜひ。

→カマタまで文学だらけ