Twitter300字ssで書いた掌編です。
お題:クリスマス
ジャンル:オリジナル、親子モノ
■ 優しい夢に沈む ■
イヴの夜にはサンタさんがやってきて、枕元に置いてある靴下の中にプレゼントを入れてくれるの。あ、サンタさんっていうのは赤い服を着たお爺さんで、トナカイが引くソリに乗ってくるのよ。
そして、クリスマスの朝、目が覚めた子どもたちはワクワクしながら靴下を引っくり返すの。
もちろん、ミキちゃんのところにもやってくるわ。
大丈夫よ。サンタさんは子どもたち一人ひとりが欲しいものをちゃーんと知ってるの。
だから心配しないでおやすみなさい。
目が覚めた私は一人ぼっちの部屋で泣いた。
サンタさんは夢の中でお母さんに会わせてくれた。
でも、お母さんはもういない。
私はお母さんが編んでくれた、もう何も入っていない靴下を抱きしめた。