下記の企画に参加します。
第三十六回のお題は「雲」です。空に浮かぶ雲から暗雲、雲外鏡等、様々な「雲」の光景を作品にして下さい。詳しい概要→ https://t.co/GtCHTLOpLL に沿って9/2日21時~24時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけ投稿して下さい
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2017年9月1日
ジャンル:オリジナル、ファンタジー、昔話風
■ 雲にすむ生き物たち ■
雲にすむ、すべての生き物には翼があった。翼ある生き物たちは短命だった。彼らの寿命は、星がぐるりと回りきるのと同じくらい。
太陽が顔を出すころ雲から産まれ、産まれたての体をぶるりと震わせ空へ飛び立つ。その翼は水のように透明で、太陽の光を浴びるときらきらする。きらきらきらきら。きらきらきらきら。まるで笑いさざめいているかのよう。青い青い空の下、さざめく光は波のようで、海と間違えてしまいそう。
飛ぶのに飽きると雲に飛び込む。真っ白な雲に抱かれ癒されふわりふわり。雲に飽きればまた飛び立つ。
そんなことをくり返し、群青色の空に星々が輝くころ、力尽きた彼らは落ちてゆく。落ちながら、空気にとけて、いつか雲になる。