下記の企画に参加します。
第四十九回のお題は「灯す」です。電灯、灯台等、「灯」の入った言葉でもOKです。「灯す」のある光景を作品にして下さい。概要→ https://t.co/PJh41DIrmY
— Tw300字ss (@Tw300ss) November 30, 2018
に沿って12/1日21時~24時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけて投稿して下さい
ジャンル:オリジナル、自作短歌解凍小説
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硬いパンが二日に一度の食事で、泥水をすすって空腹を満たした。夜は路地裏の、澱んだ闇に震えながらくるまる。眠れない夜よりも、眠れた夜を数えたほうが容易い。
行く先も帰る家もない、誰にも知られず気にもとめられることなく消えていく。それが悲しいともつらいとも思わずに。
ぼくらはそういう生き物だ。
弱くて
弱くて
弱くて
簡単に消えてしまう。
それでも、同じ生き物たちと身を寄せ合えばあたたかかった。そこに灯るいのちに触れていると、消えてしまうことが恐ろしくなり、ぼくらはぎゅっと身を寄せ合った。
冬は、ひとつ夜を越えると、ひとついのちの灯が消える。
消えなかった灯が、消えた灯を喰らうのだろうか。
明け方の空に、星が瞬いた。