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 #ペーパーウェル01 ひとり感想会 & #ペーパーウェル02 予告

今さらですが、昨年末に運営・参加したネプリ同時配信企画第1回ペーパーウェルの作品感想をぽちぽちしました。

ペーパーウェルというのは、昨年10月うさうららさんとわたしで立ち上げた、同じテーマでつくったネプリを同時期に配信して楽しもう!という、Twitter発のネプリ企画です。企画名はwaterwellウォーターウェル=井戸からの造語。コンビニのプリンタから紙が出てくるところが、井戸から水を汲むイメージにつながるところからきています。うささん命名です。素敵!

企画詳細は下記のツイートを参照ください。

 

さてさて、感想も開催時にぽちぽち出来れば一番良かったのですが、運営で手一杯、開催時点で文フリ金沢での展示(運営側でプリントしたものを展示)を想定していたため、全作品プリントしたものだから読むだけで手一杯になったという……。金沢前に紹介も兼ねてツイートしたかったのですが、イベント前にそんな余裕あるわけがない、ということをいいかげん学習すべきだなと反省しました。

ということで、改めて参加作品をひっくり返しました。作品は配信番号数換算で53作品。ただし2枚で1枚だったりカラーとモノクロで別番号などを省くと50作品となりました。

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このなかから好きだったり何だったり(?)した作品に、備忘録も兼ねて感想もどきをポチポチしてみました。カテゴリーは形状とか使用用途的なところで分けましたが深い意味はありません。分類するのが趣味なだけです。

 

 ●製本タイプ

と勝手に呼んでいるのですが、ひと手間かけて本のかたちにするネプリのことです。いまいちばん好きなタイプのネプリです。

※このタイプを増やしたくて第2回のテーマアンケートにもあげたんですけどダメでした←

 

・かくらこうさんの「冬の贈りもの型録」

 今回のネプリで一番好きな作品。金沢の展示でも好評でした。ページ順はお任せ!という読者の構成力を問うようなつくりが好き。内容も猫のためのカタログということで、ユーモアあふれる紹介文が楽しかったです!

 

 

●デザインペーパー

ラッピングペーパーやブックカバーに使える実用性が高い作品。クリスマスやお正月に合わせたものもあればいつ使っても良さそうなデザインもありました。気に入った作品はついつい紙のサイズを変えたりして何枚もプリントしてしまいますね……!(そこまでしてももう1枚プリントしておけば……みたいな後悔はどうして毎回起きるのでしょうね)

 

・あずみさんの「可否時間」

小説を掲載したレトロな雰囲気のデザインペーパー。かっこよかったです! 今回2番目に好きな作品でした。展示用以外にA3とモノクロと実寸もう1枚と合計4枚プリントしてきましたw

コーヒーと可否をかけた小説は、花占いをイメージさせるような言葉遊びを織り交ぜた設定が楽しかったです。可否を問わないというのもひとつの可否であるのかもなどと。

 

・うさうららさんの狐のラッピングペーパーと「こんたん」

ユーモラスな狐のイラストがかわいいラッピングペーパーは、クリスマスとお正月がセットになったみたいでした。短歌を載せた「こんたん」は、桜望子さんと日向彼方さんのお歌が狐目線(?)で好きでした。

この「こんたん」が、モノクロはモノクロで別に登録されているのを見て育児アンソロの表紙登録の際の参考にさせていただきましたw

 

ミトコンドリア110kさんのミトコンドリアブックカバー

おちゃめなイラストに一目惚れしましたー。もう一枚プリントしておけば良かったなーと後悔。

 

・玄川透さんのブックカバーと小説「その先の切符」

表がブックカバーで裏が小説になっている作品です。両面印刷機能を活かした作品ですごい! 小説もブックカバーにちなんだもので面白かったです。ブックカバーに貼るラベルシールなんてあるんですね。

 

 

●フリーペーパー

単純なペーパーからちょっとおしゃれなものまでいろいろ。

 

・磯崎愛さんの「箱」×「風呂敷」のBL小説

風呂敷から箱への思い、箱から風呂敷への思い、それを見守る添え状、という構図(?)がすごく尊くて……!! 磯崎さんの文章大好きなのでもうホントしあわせでした(感想になっていない)。A3サイズにどーん!ってなってるのも良かったです。

作品はpixivにも掲載されています。短いお話ですが、グッとくる作品です!

 

・緋田すだちさんの「明けの砂糖星」と「十二月さんの菓子」

文章と漫画の素敵なコラボレーション作品。菓子を贈りあう秘密結社っていう設定がすごく素敵。どんなお菓子を作ろうか〜から始まって、カードを付けたりラッピングしたり、梱包したり、っていう過程が漫画で描かれているのですが、だれかに何かを贈ることの楽しさが伝わってきて、すごくしあわせな気持ちになれました。あと、自分が作品をつくってるときもこんな感じだなぁ〜ってすごくこう親近感を抱きました。他の月のお話も読んでみたいです。

 

 

●折本

一番のボリュームゾーン(笑) 一番オーソドックス(と思われる)8ページ折本が多く、小説がほとんどで、漫画、詩が少し。読み応えのある作品が多くて楽しかったです。

 

・繭美さんの「朝顔に添えて」

ふたりの少女の想いの変化を朝顔と四季に絡めて書いた掌編連作集。朝顔花言葉と少女たちの思いが交差して、切なかったり、苦々しかったり、清々しかったり。文章の余白みたいなものから滲み出る雰囲気が良かったです。

 

・桜鬼さんの「雪兎」

昭和の駄目なお父さんの典型、みたいな感じなんですけど、その駄目っぷりとか言い訳がましい感じとか、その中にある良心とかが、不思議とかわいらしく思える魅力的な語り。実際にこれが自分の父だったり夫だったりしたらめちゃくちゃ面倒臭そうって思うんですけどね、こうやって書かれてしまうとその人間臭さに面白みを感じてしまいます。

 

・重政有さんの「包装屋さんと四つの贈り物」

いろんなモノを包装してくれる包装屋さんの掌編連作集。物語は包装屋さんが包装している描写のみで、包装しているモノはあかされず、読んだひとが想像する、というつくりになっているのが遊び心があって素敵でした。

 

・哀愁亭さんの「メリークリスマスさん」

孤児の女の子が、孤児故に、不思議な縁でしあわせになる物語。でもあるけれど、きっとこの女の子の前向きさみたいなものが手繰り寄せたしあわせでもあるんだろうなぁと読み返して思いました。例えば数年後、常識を知った主人公は、この物語の出来事をどんな風に思い返すのだろうって想像したのですが、この女の子なら、間違えちゃったことを恥ずかしく思いながらも、そのお陰で今こうしていられるんだ、良かったって思うんじゃないかなって。

 

・オカワダアキナさんの「メリンガータくん」

ふつうの、なんでもない日常の物語であるような顔をしながら、ちょっとずつ読者を侵食していき、でも侵食しきらずに、押し付ける気はないんだ、あとは自分で考えてみてよって感じで、最後は読者に結末を委ねるような物語だったような気がします。少しずつ押していって、最後は引く、みたいな。そのバランスがとてもいいから気持ちよく読めるのかなぁと思いました。

 

・春木のんさんの「しょんぼり悪魔 ひと夜、来ませり」

気持ちがあったかくなるクリスマスストーリー。

主人公は一人暮らしで恋人も友人もいない大学生とか会社員さんとかかな、と想像。でも別にそういう自分に納得しているような感じ。むしろこれ悪魔の方がブラック企業に勤めてイヤイヤ仕事していて、この主人公の言葉で転職に踏み切るみたいな?←

 

・せらひかりさんの「ギフト×スイッチ」

不思議な掌編集でした。お話ごとの繋がりは(たぶん)ないのですが、根底でつながっているような。生きていると、知らないうちに誰かに何かをおくったり、逆に誰かから何かをおくられたりしているんでしょうね。 

 

・わらびさんの「愛しい君へ」

3つでひとつの愛を伝える物語。切ない。そして最後の短歌が主人公への返歌になっていてまた切ないし、小説に対して返歌を付けるというのが素敵でした。ちょっと人魚姫っぽい雰囲気もあって、そこも好き。

 

・切売さんの「Winter Fairies Dictionary」

ファンタジー好きのわたしにはたまらない作品でした。設定からして好き。あと辞典というちょっとおもしろみにかけるようなところを、魔法使いからの手描きコメントが書かれていることでこう、実感が加わって素敵過ぎて素敵です(語彙力) この世界観の物語をもっと読みたいと思いました!

 

・鳥鳴コヱスさんの「especially for someone」

クリスマス目前の小さな本屋さんに訪れる3人のお客さんと書店員さんのあったかストーリー。クリスマスプレゼントに本系を選ぶひとたちっていうのがいいし、それぞれにとってはすごく大事なプレゼント選びに寄り添ってくれている書店員さんが素敵です。尊い

作品は以下で読めるようです。 本好きさんにおすすめ。

 

・渡来亜輝彦さんの「流行りのお店」

本編が他にある番外編的お話なのですが、(たぶん)おじさん(おにいさん?)ふたりがかわいいお菓子を買うために行列店に並ぼうとするコメディ(でいいんですよね???) かわいくて笑えて面白かったです。

 

・蒼条さんの「pearl, veil,epilogue」

想いを寄せる友人へ、結婚祝いに贈る真珠。こころのうちに溜まったものを、その真珠とともに贈ることもできずに抱えている。結婚式の日は、なんでもない顔をして「おめでとう」を言ったのでしょうか。主人公が友人をどんな風に思っていたかとか、その関係性とかが浮かび上がってきて、愛しいなぁって思いました。 

 

 ・土佐岡マキさんの「魔法使いは今宵、クリパに派遣されます」

ブラック企業にご注意を!みたいな煽り文句をつけたくなるようなお話でした(笑) 笑うべきか哀れむべきか明日は我が身かむずかしい← ただこういう縁の下で力持ちをしているひとたちが常にどこかにいるということは忘れたくないですね。

 

 

●ポストカード

クリスマスに開催したのでクリスマスカードのイラスト系が多かったです。年号の入っていないクリスマスカードは複数枚プリントしておきました!

 

・みじん子さん

ひと目ぼれでした。長女がとても気に入っておりましたので長女分もプリントしました。

 

・繭美さんのポストカード「For you」

いつもはプレゼントをもらう側のサンタさんにプレゼントをあげるっていうストーリーが見えるイラストで好きです。サンタさんきっと嬉しかったろうなーって想像できちゃう。

 

・京屋さんのクリスマスカード

たぶんアナログですよね。味があるという言葉がぴったりの、絶妙なバランスのかわいらしさ。元々は別企画用に作成されたクリスマスカードだったみたいですが、ペーパーウェルの企画を知ってタグを付けていただけたそうです。そういう参加の仕方も有りなので、どんどんやってくださいね☆

 

・娘画伯さん&凪野基さん「ドロップス」

お子さんの絵に、お母さんの凪野基さんがかわいいSSを付けたコラボ作品。かわいく見せているけれど好きな子ほど泣かしたい!みたいな残酷さを感じる物語でもあって面白かったです。

 

 

※まとめ的ななにか 

全体的に小説折本が多かったので読み応えがあり、個人的には満足でした。とはいいつつも、エッセイ、詩、短詩、漫画、イラスト、写真、デザインとかいろいろ増えたらうれしいなぁという気持ちもあります。形状もいろんなパターンが出てきたら楽しそう。でもそればっかりでも疲れちゃうと思うので、ペーパーとかオーソドックスな8ページ折本とかもあってほしいな(わがまま)、などとあちらこちらに思考を飛ばしつつ、ペーパーウェルは参加者さんがつくるイベントなので、皆さんの好きなネプリを追求していただけたらいいのだろうなぁと思っています。

わたしはネプリでできることはもっとたくさんあると思うので、自分でもいろいろつくってみたいし、面白い昨日にも出逢いたいのでそうなるようにがんばります。

 

 

 

<次回のこと>

というところで、次回、第2回ペーパーウェルがですね、もう今週末6月1日(土)〜2日(日)に配信開始なんです(笑) テーマは「水たまり・水玉模様」。詳細は以下を参照ください。

今回の運営はうささんなのでわたしは運営はチラ見程度で、今度こそ開催期間中に感想をつぶやきたいなぁと思っています。

 

●作品参加

作品は以下を予定しています。

 

月島あやのさんとのコラボ折本1種

 

・個人写真1種

写真を一枚出したいと思っています。まだ印刷していないので、なかったら印刷きれいに出なかったんだな、となまあたたかい目で忘れてやってください←

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・ゆらさんとの短歌折本2種

これはデータ作成をお任せしているのでわたしは楽をさせていただいておりますすみません← 背景イラストもゆらさんが素敵な水彩画を描いてくださいましたのでご期待ください。

 

・うささん主宰の短歌アンソロジー「ぽたん」に寄稿

金沢で頒布された製本版とはちがったかたちになるみたいで楽しみです。

 

●プリントするのを楽しみにしている作品

ツイッターで #ペーパーウェル02 で検索すると、作品予告みたいなものを出している方がいらっしゃるので事前チェックしてみたい方は検索してみてくださ〜い。

 

そんな感じで、来週末は第2回ペーパーウェルをよろしくお願いいたします♪ 作品参加の方もプリント参加の方も、ご無理のない範囲で楽しんでいただけたらうれしいです。