7 Library

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Twitter300字ss:水と泥

下記の企画に参加します。

ジャンル:オリジナル

 

ためらうことなく飛び込んでいく。
底がくっきりと見える透明な水でも、濁った泥水でも、ゴミの浮いた水でも。
そこに水があるというだけで、喜ぶ。

水に濡れて風邪を引く可能性。
髪、顔、手足、服、靴、すべてが汚れ、その汚れが落ちないかもしれないなんて考えもしない。
失うことを知らない。
想像もしない。
できない。
ただ好きなだけ遊んで、用意したあたたかな風呂でまた遊ぶ。

夕食に出した白いご飯はこね回されてぐちゃぐちゃになった。
泥と似ている。

日付がかわる頃、水につけておいた泥だらけの服を洗う。
意外と泥は落ちない。泥は水より強いのか。繊維との結びつきの問題か。
諦めて洗剤につけておく。
最後に水道水ですべてを流して。流して、

 

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第2回ペーパーウェル用に書いていたのですが、なんとなく合わなくて写真ごとボツに←

 

※追記

嬉しいご感想をいただいたのではっておきます。