下記の企画に遅刻参加します。
第七十三回のお題は「隠す」です。「隠れる」でも、隠者、隠居、隠蔽等、「隠」の入った言葉でもOKです。「隠す」にまつわる光景を作品にして下さい。
— Tw300字ss (@Tw300ss) 2021年2月27日
概要→ https://t.co/PJh41DIrmY
に沿って3/6日21時~23時に #Twitter300字ss と @Tw300ss をつけて投稿して下さい。
ジャンル:オリジナル、FT
タイトル:肉体が崩れ落ちても魂がそこにないとはわかっていても
こんなところにいたのかと、友を包む氷に触れる。冷たく分厚い氷の中に、生きていたときには見たことのない
嗚呼。
青空を自由に翔けた二つの翼も、幾億もの鱗に覆われていた頑強でしなやかな肉体も、見るに堪えないほどに崩れ落ちていた。親しかった誰にも何も告げず、五年ほど前に忽然と行方をくらました、その年月分の。
最後の竜だった。
けれど友だった。
こんな風に失いたくなどなかった。
こんな最期をみるために、
風が強くなり、吹雪となり、隠されていった。
■関連作
五年前の話。