7's Library

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創作ネプリコラボ①「冬の記憶たち」配信開始しました(終了しました)

昨年秋にvol.0を配信した「創作ネプリコラボ」の第2段を配信開始しました。今回は冬をテーマにした美作驟雨さんの写真と、その写真からイメージした短歌・小説を掲載した横長折本です。

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↑この写真、超大慌てて撮影したので左上のカメラが実は上下が逆っていう……

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超短編「ちるちるみちる」

 

 降るたびにあたたかくなる雨のなか、そのひとは花びらを拾っていた。

 つい一週間ほど前までうつくしく咲いていた、桜の花びらが散らばっている。風に吹かれて雨に打たれてひとの足に踏みにじられて、今ではその影も形もなくなって、ただ汚らしいピンクと茶と黒が水たまりに飲み込まれぐるぐるしている。そのなかから、白い指が何かを拾い上げた。

 花びら、それは花びらだ。

 拾ったのとは逆の手に、丁寧に載せる。

 よく見ると、他にも一枚、二枚、のっていて、花のかたちに置かれていた。花びらが花びらになる前の、正しかった花のかたち。

 四枚目と五枚目が拾われて、そのひとは満足したように笑った。笑って、花を捨てた。どろどろの渦の中に、やっと戻れた花のかたちが、また花びらになって、あるいは花びらですらなくなって、散らばった。

 

 

「もうすぐオトナの超短編」氷砂糖選に応募した超短編です。自由題部門で優秀賞をいただきました。丁寧な選評、ありがとうございました。選評は以下よりどうぞ。

 

紙街03用に読んで落選(?)した自作短歌の解凍小説でした。

 

ぬるみゆく雨に打たれて散らばりし花びらたちを桜に戻す

超短編「神々のかたり」

 

 むかしむかし本当に起きた事なのか、とおいとおい未来の予言なのか、わからないまま人々はかたる。

 竜について、かたる。

 神に逆らって滅ぼされた哀れな生き物だとかたる者がいれば、世界を滅ぼすためいつか現れる化け物だとかたる者もいる。

「ほんとーはどっち?」

「どっちだと思う?」

「う~ん……りょーほー!」

「両方?」

「むかしいっかい滅ぼされちゃったんだけど、こんど世界を滅ぼすためにもっかいあらわれるの!」

「なるほど」

「いいでしょー」

「そうだね。じゃあ、そう、かたっておこうか 」

 

 

「もうすぐオトナの超短編」氷砂糖選に応募した超短編です。兼題部門「お伽話」で優秀賞をいただきました。丁寧な選評、ありがとうございました。選評は以下よりご覧いただけます。

で、選評をいただいて速攻で書き直してみたのが以下。

 

 

「ねぇ、竜ってさーどっちなの?」

「なにが?」

「人間にさ、竜はむかし神に逆らって滅ぼされた化け物だって言ってるやつらと、世界を滅ぼすために遠い未来に現れる神の使いだって言ってるやつらがいるの」

「へぇー」

「ほんとーはどっちなの?」

「どっちだと思う?」

「う~ん……りょーほー!」

「両方?」

「むかしいっかい滅ぼされちゃったんだけど、いつか世界を滅ぼすためにもっかいあらわれるの!」

「なるほど」

「いいでしょー」

「そうだね。じゃあ、そう、かたっておこうか 」

 

 

【水瓶座歌人アンソロジー METEORO】に参加させていただきました

とみいえひろこさまが主催された【水瓶座歌人アンソロジー METEORO】に参加させていただきました。

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少しずつ積みあげてゆく言の葉がいつかあなたに届きますよう(2018年の抱負)

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完璧を求めはしない少しずつ辛抱づよく積みあげてゆく

 

「少しずつ」何かをすることがとても苦手です。でも、これから先いろんな面においてこれはデメリットでしかないので、なんとか2018年に身につけておきたいと思いました。予定通りにいかなくても、振り出しに戻らせれても、少しずつ、少しずつ積み重ねてゴールを目指すことを覚えていきたいです。

っていうか、もう、そうしないと部屋の掃除すら永遠に終わらない。掃除機をかけてる間にばらまかれてるおもちゃ、お子様せんべいを食べながら歩いたりはいはいする生き物たち、あちこちにこびりつく小麦粉粘土……!

突然創作と関係ない話になった雰囲気ですけど、掃除機をかけ終わらないと創作もできないんです。それぐらい毎日部屋が埃以外のもので汚されている。

 

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