7's Library

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短歌ハッシュ9月号に参加させていただきました

短歌ハッシュ9月号「夏の記憶」というテーマに惹かれて短歌1首で参加させていただきました。

※配信は昨日で終了してしまいました……すみません……

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新型コロナウイルスの夏、ということで、海外旅行はもちろん、日本国内の旅行や人が密集するイベントも開催できない(行けない)、という状況でしたが、わたしはこれまでとそんなに変わらない夏でした。

ちょうど幼稚園児ふたりの夏カレンダー(という親への宿題)の最後にA3で1枚分ぐらいの夏の思い出ページを作らなければいけなくて、子どもたちの夏休み中の写真をひっくり返したのですが、コロナだろうとなんだろうと、この子たちのこの夏休みはもう二度と来ないんだよなーみたいな気持ちに。いくつになっても同じことですし、夏以外の季節だって同じことなんですけど、特別だと感じてしまうのはなんなんでしょうね。

とにかくそんなわけで、たくさん詠みました(笑)

詠んだ歌はめずらしくまとめてみましたのでよろしければどうぞ!

 

短歌ハッシュに掲載いただいたのは歌はこちら。

思い出のうえに連なるソーラーパネル夕焼け色に輝いている

思い出の(五)/うえに連なる(七)/ソーラーパネル(七)/夕焼け色に(七)/輝いている(七)

 

ソーラーパネルが思いっきり飛び出てるんですけど個人的にはあまり気にならなかったです(というか実は気づいていなかった←)。そう、今年とうとう我が家の前にあった空き地にソーラーパネルが設置され、昨日、とうとう柵が立てられていました。子どもたちの貴重な遊び場が(他人様の土地ですが)……!

ちょうど長女が産まれた年に家の前にあった製材所が廃業し、それから空き地になり、水道工事の資材置き場になり、放置され、また資材置き場、花火大会の駐車場などなど、いろんな使われ方をされてきましたが、とうとうソーラーパネルで埋められてしまった、という個人的には本当にこの夏一番のショッキングな出来事だったんです……。ただ、ソーラーパネルソーラーパネルでなかなかうつくしいとも思いました。秘密基地みたいでもあり、飛行機の翼のようにも見えて、なかなか面白い素材です。

ぼくたちの遊び場に立つ飛行機の翼みたいなソーラーパネル

なくなってしまった場所を悔やんでもどうしようもないですし(そもそもうちのものではない)、新しい環境と仲良くしていこうと思います。さっそく柵にふとん干せないかなーとか(ダメです)

それはそれとして、「夏の記憶」というテーマをいただいたことで、今年の夏を短歌というかたちで残せて良かったです。主宰のうささんに感謝申し上げます。

以下は個別の項目?への感想です。

 

イラスト

最初から植物の絵を描かれるとはきいていたのですが、とても落ち着いたトーンのイラストで好きです(基本しんぷるいずざべすとLOVEなので)。集められた夏の記憶たちと、秋に向かうお外の風景だったのかなぁ。夏と秋の間って、これまであまり意識したことがなかったのですが、確かにこんな静けさ、寂しさ、みたいなものがあるような気がします。

 

短歌

新型コロナウイルスでいろいろ制限が出た夏だったよねーって思う歌が多かった、というわけでもないのかもしれませんが、そう読むことを止められないという複雑さ。

 

・望月万里菜さま

きらきらした青春の歌。夏のひかりのせいじゃなかったみたいですね。きっと、いろんなところで、これまで夏のひかりのせいだと思っていたことがあったかもなーなんて。来年の夏にはひかりがありますように。

 

・西藤智さま 

富山に来る前は東京に住んでいたので、よく地下鉄にも乗っていました。ちょっと湿った独特の地下鉄の空気感が見事に滲み出ている歌です。「マスクにふれる古い水の香」が素敵です。

 

・紺堂カヤさま

真っ直ぐな歌。きっと、世界中に、会いたい君に会えない人たちがいたんだろうなぁと思うと切ないです。いつもと同じ広い夏空。目に見えないウイルスだから、見た目にはきっと同じ夏で、どこにでも行けそうなのに行けない。たたくという行為が、いろんなひとたちがいろんな立場でたたかっている現状を思いました。

 

・海月ただようさま

大きな流れの中で、その流れに逆らうわけじゃないけれど、決して飲み込まれることもなく「静かな潮風になる」。夏の特別感よりも夏だからとはしゃがないようにした夏だったのかも? その中でのワンピースだとしたらちょっと特別な気がしました。

 

・うさうららさま

この上の句からこの下の句につなげるってうささんがやるとめっちゃ不意打ちだなと思いました(笑) 不意打ちも悪いことばかりではないですね。今のこの世の中の暗い雰囲気の中にでも良いことはあるよって言ってくれているように思えました。

 

 ・諏訪灯さま

昔よく親と家族旅行に行っていたことを思い出しました。結構大きくなってからも行っていたんですけど、子どもでいるときはこんなこと思わなかったなーって。親になってから子とは旅に出ていないので、親としての実感はないのですが、子どもであった時代のそれが特別なことだったのだという、不思議な感覚を味わいました。確かにこの感傷のすぐそばにいたはずなのだけれど、当事者になりきれないような。

 

・雛河麦さま

「深海魚」には成績が落ちて上がってくることができないという意味があるらしくて(今回初めて知りました)……深海魚って、暗くて静かな海の底で、世の中のことには構わずのんびり生きているようなイメージだったので最初全然結びつかなかったです……。でも、深海魚たちは焦らずじっくりと、自分たちの未来を選び取るために熟考しているのかもしれない、と思いました。

 

 

ということで配信は18日まで!……でした。書き始めたの配信の翌日だったはずなんですけどね、時の流れが早すぎる。

9月いっぱいぐらい台所に飾って夏を惜しみますw 今回は特にイラストと短歌で一つの作品という雰囲気がして素敵でした。ありがとうございました。