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「夏の白ワンピ企画2019」感想

 

昨年夏、kuren.様主催の「夏の白ワンピ企画2019」に文章部門で参加させていただきました。

夏の白ワンピの女の子or女の子?たちのイラストと、そのイラストからイメージした文章を掲載したフルカラーアンソロジー(合同誌)です。20名32作品が掲載されています。

文庫サイズというのがすごくいい感じで、夏が来るたびに見返したくなるご本です(もう夏過ぎちゃったんですけど!)。

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基本的にイラストがメインで、一部のイラストに、そのイラストからイメージされた文章が掲載されているという体裁になっていますので、フルカラーということもあってパラパラとめくるだけでも見た目に楽しいです✨

 

「夏の白ワンピ」というテーマにふさわしい表紙です!

主催のkuren.様が描かれた表紙イラストはシンプルな画面構成が光る、この本の表紙を飾るのにぴったりの一枚です! 青空を背景に、女の子がぽつんと座っているのですが、背景の青空が、これからこの本に広がる夏を思わせて、その入口に座る女の子に招かれているような気分になりました。

この表紙イラストをイメージされた朝の光様の文章がまた素敵で、最初の一文「青空おひとついかがですか?」が、表紙の雰囲気、特に女の子の雰囲気にぐっと引き寄せられる感じです。

 

 

青空、海、水……さまざまな夏の風景が
白いワンピースの少女たちと共に描かれています

 

・主催kuren.様

足と白いワンピースを水に浸している女性のイラストは、白ワンピが水に浸かって半ば透けた感じがとてもうつくしい。このイラストにつけられた七瀬亜衣香様の文章も幻想的でうつくしいです。前半でイラストの細かい部分を描写したことで、後半の幻想に説得力を与えているのが素晴らしかったです。

 

・夜ノ間様

赤い郵便ポストが目に鮮やかなイラストは、少女の表情とその手に持つ手紙がなんともミステリアスです。萌芽つゆり様の文章もイラストの雰囲気にぴったり。「汗まみれの自分が急に汚い存在に思えて。」の文章が特に良かっです。

 

・北村様

薄水色の空と吹く風に溶け込んでしまいそうな白ワンピの女性。やわらかい優しい笑み、ほのかに頬が赤いのが印象的です。幸福に包まれていて思わず拝みそうになる雰囲気があります。萌芽つゆり様の文章はこのイラストのシチュエーションにすごくあっていて、一番最後のセリフを言ったときにこのイラストの表情が出たんだろうと思うとすごい納得できてきゅんとなるのですが、語り手の絶望を思うと……!

 

・もろぴーちゃん様

ひまわり畑に隠れる白ワンピの女の子のイラストには、わたしが文章を添えさせていただきました。ひまわり畑に隠れてしー。麦わら帽子とサンダルも素朴でかわいい。色味とかもふんわりやわらかく、とにかくかわいくてかわいくてかわいい(語彙力)。それに見合うようなかわいらしさと、爪先を引っ掛けたような文章になるようがんばりました。

 

・かのん*様

夏の夜、ファンタジックな雰囲気とそこに馴染んだ白ワンピの少女がとても素敵で、文章を担当させていただきました。天蓋から見える夜空もキレイで、とてもロマンチックな雰囲気。

 

・東風うがが様

夜の海で舞う少女。背景が宇宙、空と海、地面?と3分割されているのが、いろんな世界を渡っているようで、不思議な世界に連れて行かれそうな気持ちになる素敵な作品でした! 油彩画のような塗りと合わせて、とても好きです。仁月様が添えた短歌4首連作が、この絵の世界観をさらに広げていくようでした。4首目、最後の歌がイラスト全体をあらわしているようですっごく良かったです。

 

・ゆれ様

白ワンピの女の子以外に不思議な生き物がいる、ちょっと不思議でかわいいイラスト。ちょうちんを持っているのが面白いです。

 

・雨野圭介様

ひまわり畑を背景に、アンニュイな表情の女の子。その表情の理由が気になります。やさしい色遣いが素敵です。

 

・北村様

水のきらめきと夏の日差しがとにかくきらきら眩しい夏を思わせる、笑顔がかわいい女の子の写真、というイラスト。楽しいことがたくさん待っていそうな気分になれます。

 

・海野すずり様

海の中で佇む少女と蝶々。白と青の二色刷りのような色味が涼しげで、でもふんわりしていて素敵かわいい。背景に小さく飛行機と飛行機雲があるのも夏っぽくていいです!

 

・安心様

さくらんぼをお口に当てたかわいい女の子。ソーダ水を連想させる一枚です。

 

・皐月様

廊下で涙をはらはらとこぼしながら眠る女の子。夢の中では波が迫ってきているようですが、涙を流させている原因はなんなのでしょうか。孤独感がひかる作品です。

 

・夜ノ間様

薄紅色の夕日のなか、水辺に佇む少女。このまま薄紅色に呑み込まれてしまいそうな、もしくは、人魚姫のように海へ帰っていくのではと思わせる儚さが魅力的な一枚。髪の広がりとスカートの広がりがすごくきれいです!

 

・つぎ様

夕空と電柱を背景に振り返る、元気いっぱいな女の子。ミニスカワンピ?がかわいいです。

 

・早手様

夏の夕暮れ?でしょうか、暑さにぐったりされながらも棒アイスを口に含もうとする瞬間がなんとも言い難い魅力的な作品です。

 

・kuren.様(主催様)

今回kuren.様(主催様)が描かれたイラストの中で一番好きなイラストで、文章を担当させていただけて嬉しかったです。背景の入道雲と白ワンピな後ろ姿というのがかっこよくて迫力のある一枚。でも、それだけに、表紙が夏の始まりなら、これは夏の最後の力を振り絞った一枚に感じられました。これが頂点で、ここからはもうあっという間に秋に塗り替えられていくような。描かれた瞬間より後の時間を想像させる素敵な一枚でした。

 

・ゆれ様

水の中に横たわったままこちらを見やるうつくしい女性。独特の雰囲気が魅力的で、呑み込まれてしまいそうです。添えられた七瀬亜衣香様の文章からは、花の恋、報われない恋、ひと夏の恋、という言葉を連想しましたが、それは花にとっても同じようです。イラストにぴったりのうつくしさが文章の端々からにじんでいます。素敵。

 

・東風うがが様

どこかのバーでしょうか? 夜景を背景に、恥ずかしそうに立つ白ワンピースの少女(?)の表情が魅力的。油彩画のような独特の厚みがイラスト全体に重みを与えているのも素敵です。

 

・かのん*様

白い夜に佇む白ワンピースの女の子(?) 窓辺で誰かを待っていて、待ち人がきたところなのでしょうか。これから何かが始まる予感。

 

・四宮のん様

お魚が泳ぐ夜空を背景にした、ファンタジックでかわいらしいイラスト! 夏の夜のゆめの中をふわふわしているような感じです。楽しい。

 

・bluebird/ぶるーばーど様

少女の神秘的な雰囲気に吸い込まれる、あるいはその水の流れに取り込まれてしまいそうな、シンプルなのに迫力のある素敵な作品です。

 

・祕空様

この本の最後を飾るのは、対になるような2枚のイラストの見開き。よく似た女の子?二人が白ワンピでアイスを食べている涼しげな作品。夏の輝き、そしてきっと青春の輝きでしょうか。きらきらで眩しいです✨

 

 

青い夏、眩しい夏、輝く夏、夜の夏……いろんな夏が、白いワンピースの女の子たちと共に表現されています。これは2019年の夏で、2020年の夏ではないのですが、もう二度と来ないあの夏を、そっと思い出す一冊にいかがでしょうか。

 

 

以下より通販も行っていますので、気になった方は覗いてみてください。

素敵な本だったので、私も6冊ほど頒布しております。本日北海道コミティアに委託中ですが、もし欲しい方がいらっしゃったらお声がけくださいませ〜。

 

最後になりますが、現在、同じくkuren.様主催の「冬の黒ドレス企画2020」が進行中です。白ワンピに引き続き文章部門で参加予定です。

すでに参加者募集は締め切っており、現在制作期間です。一足先に黒ドレスの少女たちのイラストを見させていただいているのですが、個性豊かな素敵イラストばかりでした。眼福〜。

好みのイラストと、ストーリーが浮かびやすいイラストというのは別モノみたいですね。好みのイラストは好き!っていう感覚はあるけど、それ以上は考えないと出てこないものもあり。その理由を考えてみたのですが、イラスト自体が完成されすぎていて余白がないのか、あまりに好きすぎてそれ以上踏み込めないのかどっちかかなと思いました。逆に何も考えなくてもふわっとストーリーが浮かぶイラストがあって、それはきっと想像させる余白を敢えて残されているイラストなのかなぁとかとか。